『行くってよ、じゃねーよ!人の話聞け!』

「はいはーい。お前頑固なとこあっからさー」

『はぁ?テメー誰に向かって言ってん…………』



執事に向かって怒鳴っていたら、なんか目を輝かせた葉月兄さんがヒョコッと顔を出した


「わーー…素の朔月初めて見た〜…」


み ら れ た…!

いや、隠していた訳じゃない

い、いい良い子ぶってた訳でもない!


ただ、なーんかかしこまっちゃうだけで…



「ブッ!バーレーた!」

『…執事、お前の口調の事を上に報告させてもらい「すいませんでした」



ガツン、と床に頭をぶつけて土下座の謝りを見せる執事

チッ……



クスクス笑いながら兄さんは近づいてきた



「…アハハ、朔月って……あー、もぅ面白い!ねー、俺にも敬語じゃなくて良いからね?」

『…や、は、うん。分かった…』


馴れねー!



『…じゃなくて、一緒に買い物いくの?』

「行く。俺、丁度開いてたし」



ふーん…


『兄さん、ファッションセンスあるんで、…あるの?』

「…フフ、大丈夫、あると思う。行こう!車用意しといたから!」

「正確には俺が用意したんだけど」

「ん?遠野はしっかりお留守番ヨロシク。さ、二人っきりで行こ!」

「二人っきりを強調してんじゃねえよ!!!チクショウ!」



本当、仲良いのな

行こう行こう、とオレの腕を引きながらの兄さんに苦笑い


ま、浴衣くらい良いか

コスプレなら慣れたからなー、No.1グランプリのせいで(笑)


…や、浴衣はコスプレじゃない、か……?