睨んでどうすんだ睨んで


「相模君、ちょっと良いかい?」

「はい。…じゃあ失礼しますね」



どっかのおっさんに呼ばれ去っていく相模先輩

それに替わるように来た兄さん



「………ね、ね、誰?あれ。馴れ馴れしくなかった?」

『学校の先輩です。生徒会長』

「へー。仲良いの?」

『良くないです。出来れば関わりたくない…です』

「……そっか。了解。なら、俺が話しかけられても素っ気ない態度で良いんだよね?」

『あー、はい』

「ま、素っ気ない態度は自然と取っちゃうかもだけど」




は?

何となく拗ねていた…てより、落ち着かないような兄さんだったが、

今度は安心したって感じだ



…ちょっと過保護じゃねーか?

いや、嬉しいっちゃあ嬉しいけど…話しただけで一々心配されてもねぇ?



『…ホラ、兄さん呼ばれてますよ』

「あ、うん。行くね?男の誘いは断って良いからね?困ったら俺を呼んで良いからね?疲れたら……『はいはい、早く行ってください!』



この、“〜良いからね?”はパーティーが始まる前にも聞いたっつの!

マジで過保護だ



はぁぁぁ…何か疲れた

兄さんの背中を押し、無理矢理おっさん達の方へ追いやると疲れがどっと出た




……そーいや、今日色々ありすぎたからなー

ババァの暴力に女の格好、して、葉月兄さんのおかえりに、パーティーだろ?


はあ、疲れた疲れた


何より心が疲れた気がする

オレは無駄に考えすぎていた気もする