良いじゃん

哲に会いたいから頑張るそれだけで



考えても思うのは葉月に人形という自分の居場所を取られることよりも…


いつ、皆で遊べるか


そんな事なんだ




だから、少しだけ

少しだけ―…落ち込んで、考えたら明日はもっと頑張ろう


頑張って頑張って頑張ったら、思いっきり哲に飛び付くんだ






ゆっくりと久しぶりに眺めた空には小さい光が輝き存在を主張している

こんな星さえ、頑張っているように見えるんだ




そうだ、オレに出来ない事はないだろう?

なんなら葉月と仲良くなっちまうか…?



アハハ、楽しいじゃん





メイクで隠してあってほとんど見えない腹の傷痕をそっとなぞる

抵抗しないってより出来なかったあの頃の自分じゃない




もう、憐れみや同情でオレの身体を傷つけるのは止めよう


この身につけた武術を披露するのも悪くない




そう、思うと葉月に会うために沈んでいた気持ちが少し浮上した気がした



ま、ストレス解消道具という名の執事もいることだし

いっちょ、バイオレンス葉月兄様にお会い致しましょう










…初めて家の中で本気で笑えた



なんでかって?


見上げた星空に哲の笑顔が見えた気がしたから―……


哲の声、聞けて良かった

それだけで…うん


いけるぞ





オレには星空の哲がいつもどうりキラキラ輝いて見えた