夏の木漏れ日がまぶしい林道を、私はキョロキョロしながらどんどん進む。 東京では見たこと無い花や鳥がたくさんいたからだ。 こんなにワクワクするのは久しぶりだ。この場に立っているだけで心が洗われるような気がする。 そのとき、突然林の中を強い風が吹いた。 「あっ!帽子が……」 かぶっていた帽子が飛んでいってしまったのだ。 そして、少し離れた草の茂みに消えた。