叔父さんは笑いながら答えた。




「ああ、ちゃんと言っておくよ。良子と誠一君は心配性だからな」




良子……と誠一というのは両親の名前。




「ええ。本当にわがままいってすみませんでした」




叔父さんは困ったように笑う。




「いいってことよ!叔父さんは依音ちゃんに、ゆっくり気持ちを整理してほしいんだ。……それでまた、依音ちゃんに心から笑ってほしい。それだけが、叔父さんの願いなんだ」




「……はい。私も1ヵ月、ゆっくり考えてみます。」





私がそう言ったあと、少し沈黙が続いた。




その沈黙を破るようにして、私が荷物を持った。