その夜、ベリルも含めた4人での食事に妙な緊張感があった。

 当然、青司の視線のせいだ。

 とうのベリルは別段、気にする様子もなくしれっと箸を手に料理を口に運んでいる。

「上手いですね」

 取り繕うように陣が声をかけたが、ベリルの箸使いは確かに見事なものだった。

 日本人でもここまで上品に使える人がいるのかと戸惑うほどには上手い。

 ベリルはそれに礼を言うように小さく笑みを見せる。

 よく見ると、ほっそりした手をしていて、やはりとても傭兵だとは思えない。