「皆の者、心して聞いてもらいたい」

 そうして広間に集まった者たちに絵理は旅行先でのことやベリルを雇った経緯などを淡々と説明し、これからについてを語った。

 執事が代表するように丁寧に腰を曲げ、

「かしこまりました。絵理様のご意向のままに、我々も対処いたします」

「うむ。頼んだぞ」

 絵理の言葉にみんなが頷いてしずしずと広間から去っていく。

 さすがみんな腰が据わってるなぁと陣は感心した。

「佐伯、ベリル殿を部屋に案内してくれぬか」

 残っていた執事に絵理が発すると、佐伯は丁寧な会釈と共に了解した。