「──っ」

「ベリル」

 それを尋ねようとしたとき、呼ばれて立ち上がる。

 陣は、一緒に搭乗してきた男の1人となにやら話し合っている姿を眺めつつ、日本に到着してからどうするんだろうと考えた。

 当然だとは思うが、ベリルは絵理の家に一時的に住む事になるだろう。

 むしろそうしないと意味がない、青司の反応が怖いけど。

 絵理がベリルさんを雇うと言い出したとき青司はおそらく、そのことまで考えたのかもしれない。

 いつかこの2人が打ち解け合う日が来るのだろうか?

 いやベリルさんの方は別に警戒してる訳ではないけど、歩み寄ろうともしないんだよな。

 自然の流れに任せている感はあるけれども、それで上手くいくのだろうか。

 陣の心配をよそに、飛行機は日本に向かって飛んでいく。

 彼らに待ち受ける危険をベリルは防ぎきれるのだろうか──!?