「よう! 準備は出来てるぜ」

 ガタイの良い男は、止まった車に近づき運転席の開いた窓に声をかける。

「そうか」

 ベリルは発して、降りるように陣たちに促した。

「こりゃまた可愛いお客さんだ」

 男は口笛を鳴らす。

 いくつに見られているのかは解らないが、当然のごとく青司は睨みを利かせた。

「こええ姉ちゃんだな」

 どう考えても怖がっていない口ぶりだ。

「青年だよ」

 ベリルは無表情に応えてキーを手渡し飛行機に足を向ける。

「え!?」

 それに男は目を丸くして青司を見やった。