15分もするとビルは姿を消し、住宅もまばらに点在し人もあまり見かけなくなってきた。

「さすが大陸」

 こんなに土地を遊ばせているなんて──と、陣は平地を眺める。

 そんな彼の耳に、聞き慣れない音が徐々に音量を増していく。

 目の前に広がる風景は、よく海外ドラマで見かける寂れた飛行場に他ならない。

 視界に映る飛行機に車ごと近づき、そこにいた数人のうちの1人がこちらに手を揚げた。

 栗色の短髪に青い目、年の頃は30代といったところか。