「20分ほど」

<了解した。そのまま滑走路に向かってくれ>

 発して通話を切られた端末を抜き出し、バックポケットに仕舞う。

「あの、今のは?」

「ファーストクラスでなくてすまんが、知人の飛行場に向かう」

 淡々と告げられ、陣たちは頷くしかなかった。