しばらくして、ベリルはバックポケットから携帯端末を取り出すと目を向けずに起動させタップした。 それをステレオの上部にあるくぼみに差し込むと突然、機械音が車内に鳴り響いた。 3人がそれぞれに驚いていると── <よう!> 音が止み、見知らぬ男の声が聞こえた。 「ベリルだ。飛べるか」 <車は?> 「置いていく」 <場所は> 「日本、東京」 それから数秒ほど沈黙が続き、 <OK! どれくらいで着く>