「!? やめろっ、撃つな!」

 引き気味に発し両腕を肩まで上げる。

「子供相手に情けないとは思わんかね」

 薄く笑みを浮かべ、未だ足の下にいる男を力を込めて黙らせた。

「貴様、何者だ」

「知ってどうする」

 どのみち、狙うのはアメリカにいる間だけだ、日本に向かってしまえば諦めるだろうにとつぶやく。

 確かに、日本まで追いかけるほどのメリットは無い。

 躊躇う男に若干の睨みを利かせ、ベリルは車に足を向ける。

 それを見た陣は鍵を開け、乗り込んでエンジンを起動させた。

 男たちだけでなく、車内の陣たちもあっけにとられた。