それからチェックアウトを済ませ、オレンジレッドのピックアップトラックに乗り込んだ。

 よくよく考えれば、この車も彼の見た目とは少し不釣り合いな気がしないでもない。

 やはり傭兵なのだと納得せざるを得ない部分が、たぶんに存在していた。

 運転席に乗り込んだベリルは、コートを脱いでエンジンを起動させた──相手は確実に止めに来ると踏んでいるようだが、果たしてそうなんだろうか。

「何もなければそれで良い」とは言っていたが、準備が半端無い。

 相手の数を考慮し、万全の態勢を取ったのだと理解はしていても、慣れない世界に思考がいまひとつしっかりついていかない。