エメラルド・ナイト~守護者たちの饗宴~

「そなたの言い値を出そう」

「何を考えているんだ?」

「なるほど、上手く考えた」

 ベリルは口角を吊り上げる。

「どうだ? 悪い話ではなかろう」

 小さな体からは不安など一切、見せず傭兵に堂々と口を開いた。

「上手い……」

 様子を見ていた陣は、ぼそりとつぶやいた。

 相手が傭兵なら、それ相応に扱えばいい。

 もし誰かに雇われているのだとすれば、相手よりも高い報酬を提示すればこちらに引き込める。

 それなりに渡り歩いてきたであろう相手に少女が臆することなく交渉を持ちかけている姿は、なんとも勇ましい。