エメラルド・ナイト~守護者たちの饗宴~

「躊躇(ためら)えばそれだけ危機に陥る。瞬時に判断し、決断する時を見誤ってはならない」

 それを全て求める訳ではない。

「己のために誰かが傷つくのを嫌うのは解らんでも無いがね」

 柔らかく応え、武器を詰め終わったケースを閉じた。

「ベリル・レジデント殿」

 立ち上がった青年の名を呼び、その瞳を見つめて捉える。

「改めてそなたを雇いたい」

「!? 絵理?」

 驚いた青司が慌てて駆け寄った。