エメラルド・ナイト~守護者たちの饗宴~

 そんな後ろ姿に絵理はゆっくりと近づいた。

 あとに続こうとした青司を止め、視線だけを一度こちらに向けて作業を続けるベリルを無言で見下ろす。

「一つ訊きたい。私が危うい時はどうすれば良いと思う」

「私かその2人かを盾にすれば良い」

「それが正しいと思っての言葉か」

「正しいかどうかは問題ではないよ」

 側にいて守れなかった彼らの痛みはいかほどか察しはつく。

「ぬ」

 その言葉に、絵理は後ろの2人を意識した。

「皆がお前を守るために全力を尽くす」

 ならば、お前のすべき事は見えているはずだ。