する事もないので、3人はゆっくり時間をかけて食事を済ませた。
「ああ、片付けくらいはオレたちがします」
食べ終わった事を確認したベリルが立ち上がったので、陣が制止した。
「そうか」
再びソファに腰掛けようとしたとき、ドアベルが鳴る。
それを待っていたのか、ベリルは躊躇いもなくドアに向かい、ドアの前で数秒ほど無言で立つとドアを開いた。
「まったく、休暇じゃなかったのかい?」
老年の女性が、ぶつくさと大きなキャリーカートを牽(ひ)きながら入ってきた。
ダイニングにいる3人を一瞥し、リビングで立ち止まる。



