朝──陣たちがリビングに向かうと、ベリルはすでに起きていて簡易キッチンに立っていた。

「おはよう」

「あ、おはようございます」

 小さく笑みを浮かべて発したベリルに、陣はぺこりと軽く頭を下げた。

 どうやら、朝食の準備をしているようだが、これでは傭兵というよりも母親かお手伝いさんだ。

 やっぱりこの人は傭兵の中でも特殊なんだろうな……と3人は妙な納得をした。

「ルームサービスではないのか」

 絵理は少し驚いて発した。

「そればかりではつまらんだろう」

 気分転換も兼ねているので気にするな。

 と、レタスをボウルに盛りつけながら応えた。