「皆、どっしりとした体格をしているのだな」

「そこはもうぶっちゃけ、デブが多いって言ってもいいんじゃないの」

 絵理のオブラートに包んだ物言いに多少呆れつつ、陣が発する。

 青司がそれに、ハスキーな声で返した。

「解ってないな。率の多い方優先だ」

 つまりデブの方が多いって言いたいのか……冗談なのか皮肉なのか、たぶん両方だ。

 と、陣は眉を寄せて小さく溜息を吐き出した。

 そうして、ゆっくりと見渡す──欧米人に抱いていた印象と青司から聞いていた言葉の通り、みんなデカイ。

 横だけじゃなくて縦にもデカイ。

 高いビルと人混み、色んな人々が行き交う中で、どこかしら地味に伝わるのは人種の壁だ。