「もしくは、御剣財閥に関係している人物か」

「じゃあ、日本に帰っても安心出来ないという事ですね」

 ようやく陣たちは事の重大さに気がつく。

「彼が真実を言っているなら。の話だけどね」

 わざわざ険を刺さなくてもいいだろうに……陣は、青司を呆れて見つめた。

「それを証明は出来んな」

 飲み干したグラス越しに苦笑いを浮かべた。

「そなたは何故、そこまでしてくれるのだ」

 食べ終えた絵理が問いかけた。

「知った情報を捨て置く訳にもいかなくてね」

 州警察に知らせる事も考えたが、事を荒立てるのもどうかと思ったのだよ。

 柔らかな口調で発し、食べ終えた食器を重ねずにワゴンに乗せていく。