「どこに向かっておる」

「ハイアットホテル」

 陣たちの泊まっているホテルに向かっているらしい。

 それを知る青年に一同は、いぶかしげな表情を浮かべた。

 先ほどの激しさとは打って変わって穏やかな車内に、ようやく陣たちは安心する。

 青司だけはまだ警戒心を解いている様子はないが、緊迫した雰囲気からはとりあえず脱した。