「やばそうだったらオレたちで守ればいいだけだろ」

 陣は笑顔で青司の背中をポンと叩いた。

「そんな悠長な事を言ってられないのがアメリカなんだよ」

 吐き捨てるように発して、絵理の隣に乗り込む。

 大きめのピックアップトラックは、後部座席に3人でも充分なスペースがあり、青年が左の運転席に乗り込んでいる間にシートベルトを締めた。

 青年は乗り込みつつシートベルトを締めてエンジンを起動させる。

 ゆっくりと進む車が大通りにさしかかると、見覚えのある男たち数人がうろついていた。

 まさか車に乗っているとは考えていないのだろう、横を通り過ぎてもまったく気がつかない。