「持っていろ」

「え?」

 聞き慣れない声に視線を上げると、見知らぬ影が120㎝ほどの大きな縦長の四角いケースを陣の腕に落とした。

「うわっ!?」

 慌てて力を込める。

 エレキギターを入れるケースだろうか、質の良い肌触りに気持ちを落ち着けるも突然、、現れた影に再び目を向けた。

 この間(かん)わずか数秒程度だが、その影はオートマティック拳銃を何も盾にせず堂々と構えて引鉄(ひきがね)を引いていた。

 あまりの唐突な登場に、3人はその人物を眺めているしかなかった。

 向こうに視線を移すと何人か当てられたらしく、姿が見えない。

「開けろ、中身には触れるな」

「あ、はい。!?」

 指示されるままギターケースを開き、陣はギョッとした。