「どうするのだ」

「解らない。警察が来るまで粘れるか……」

 こんな時にも冷静でいられる絵理と青司に半ば呆れつつ、こんなドラマみたいな展開はお断りだと心に泣きが入る。

 青司はアメリカに住んでいたから、多少の免疫があるのかもしれない。

 絵理は絵理で財閥の令嬢という立場に、それなりの度胸を持っている。

 何もないのは陣だけだ。

 いや、オレだって多少の度胸は持ち合わせているつもりだ。しかし、これはどう見ても無理。

 あれから5分は経っているが、警察が現れる気配は1ミリも感じられない。

 万事休すか!?