青司の意識からすれば、

「そんな欲が見えるお金なんか」と思うかもしれない。

 でも、少なくともそれで救われる人々がいる。

「個人の意識なんかどうでもよくて、要はどうお金を使うかってとこなんだろうな」

 重要なのはその部分だとベリルは考えているのだろう。

「実際、あいつはどこまで知れてるんだ?」

 青司の問いかけに陣は生ぬるい笑みを固めた。

 部分的に見て、不死だと知られていないと無理な事もありそうだ。

「公然の秘密だな、たぶんだけど。あ、そうそう」

 陣は手元にあった封筒を青司に差し出した。

「ベリルからだよ」

 怪訝に思いながらも、中の紙を取り出して視線を落とす。