──1時間ほどして、

「ちーっす! お邪魔します」

「よう、お前も色々と大変だねぇ」

「とりあえず確保出来たな」

「お疲れさーん」

 見知らぬ男たちが口々にベリルと言葉を交わし、ミュゼフを連れて去っていった。

「そなたには助けられた。かたじけない」

「こちらもそれなりの報酬は頂いている」

 発しながら、外していた装備を装着していく。

「そなたは──いや、良い」

 突いて出かけた言葉を飲み込んだ。

「あえて尋ねるものでもないな」

 そんな絵理にベリルは優しく微笑んだ。