本来なら殺してしまえばそれで終わりだ。

 しかし、相手は不死である。

 その怒りを冷ます事なく常にミュゼフを追い続けるだろう。

「捕らえてしまえばなんでもない」

 不敵に言い放ちベリルに負けじと視線を鋭くした。

「不死の相手をどうやって捕まえる気なんだあいつ」

「あ」

 眉を寄せてつぶやいた青司の言葉に陣がふと思い出す。

「確か麻酔は効くとか言ってた」

「ぬ、それではあやつ……」

 絵理が危惧した通り、3人が顔を向けると男の手には先ほどとは違う形状のハンドガンが握られていた。

 武器の種類など解らない陣と絵理だが、ベリルに対抗するものだという事は理解できた。

 数メートルの距離に互いがいる。

 この距離で外れることはほぼ無い。