ミュゼフはベリルの手を振り解こうとするが、がっちりとハンドガンを掴まれていて顔をしかめた。
小さく舌打ちをして左手にナイフを持つ。
ベリルがそれを見逃すはずもなく、男の手を一瞥すると素早くしゃがみ込み足払いをかました。
「うっ!?」
体勢を整える暇もなく倒れ込む。
転がった男に膝をお見舞いしようとしたベリルだが、一歩遅くグイと姿勢をずらし畳に膝を打ち付ける。
今度はベリルがそれに舌打ちをして2人は同時に立ち上がり睨み合った。
「彼らを傷つけたとして、その後の自身を想像出来るはずだ」
「──っだからどうした」
再度、突きつけられる言葉に男は眉を寄せた。