「いや、さすがにこれはちょっと」

 ぼそりと突いて出る。

 さらに、

「いくら死なないといってもなぁ」

「死なない?」

 聞き返した青司にハッとして陣は口を塞いだがあとの祭りだ。

「あの、ええと~」

 青司の視線が怖くて陣は仕方なくベリルが不死である事を明かした。

「は……。不死だって? だからあんな事が出来るのか」

「それは違うぞ青司」

 呆れたように肩を落とした青司に絵理は言葉を紡ぐ。

「不死だからと出来る事ではない。痛みは本物であろう」

 それに陣と青司はベリルを見つめる。

 だらりと垂れ下がった左腕は血に染まり、微かに震えていた。