銃弾が放たれる刹那──ベリルは男に素早く駆け寄る。

 長い銃身から撃ち出された金属の塊はベリルの左肩にめり込み、顔をゆがめつつも構わずに速度を落とすことなく男の目の前まで近づくと2発目は放たれずハンドガンを掴んで互いに見合った。

「傷つければどうなるか、解らないお前ではなかろう」

「チッ」

 冷たい瞳に冷や汗を流しながら小さく舌打ちした。

「──っ」

 ベリルの肩から流れ落ちる赤い液体に絵理たちは息を呑む。

 彼が不死と知っている陣でさえ、思い切った行動に硬直した。