「相変わらずふざけてるな」 ふすま越しに聞こえる静かな声と怒号に青司が呆れた。 「や~あはは、凄いな」 陣もフォローしきれなくなり頭をかいて苦笑いを浮かべるしかない。 「うぬ、さすがというか」 耳に届く声に絵理も小さく唸った。 外の会話のやり取りにはとんでもない温度差があるのは聞いていて明らかだ。 相手を怒らせる作戦なら成功していると言っていいだろう。