「奴からの攻撃に備えなければならん」

 私の攻撃をも考慮するのは面倒なのでね。

 一方に集中するために飛び道具を持たない戦法に青司は眉を寄せた。

 それは、自らは傷を負う覚悟を持つという事だ。

 さずかの青司もここまでくると、どう皮肉を並べていいものか解らない。

 本当はベリルを信じたい気持ちはある。

 だが、やはり他人を信用出来ない心が先に立ってしまう。

 それほどに彼は虐げられてきたのかもしれない。