そうして数時間後、ベリルがダイニングに顔を出す。

「あ、終わりました?」

「うむ」

 朝食が並べられているダイニングテーブルを一瞥し、室内を軽く見回した。

「どうした。食べぬのか」

 席に着かないベリルを見上げ、絵理が問いかける。

「ん」

 それもそうかと席に着く。

「で、その敵というのはいつ頃に来る予定なんです?」

「早くて昼間(ちゅうかん)、遅くて夕刻」

 皮肉混じりに尋ねたはずが淡々と答えられ、青司は若干ムッとする。

「出来れば移動時には連絡してもらいたい」

「トイレも?」

 皮肉混じりに尋ねると、

「出来るならね」

 顔色一つ変えずに答えた。

 やはりベリルの方が一枚上手なようで、青司の嫌味はことごとく受け流されている。