「でも撃たれたんでしょ!?」

「伏せておいてもらえるか」

 その言葉に落ち着きを取り戻す。

「どうして」

「表の人間に多く知られるのは避けたい」

 陣はそれではたと気がつく。

「もしかして、あのホテルも武器屋の人もベリルさんの事を知ってるんですか?」

 心に湧き上がっていた違和感や何もかもが、陣のなかで全てつながっていく──

「あ~、確かに言わない方がいいかも」

 青司に知られると、今までの身を挺したベリルさんの行動が全て水の泡になる気がする。