食事が済み、ベリルを除く3人はなんともないしにリビングに集まる。

 誰1人見てもいないテレビが騒いでいるが視線は皆、宙を見つめていた。

 ベリルは家の周囲を見ておきたいと1人で歩き回っている。

 ついでに見取り図も見せて欲しいと言われ、執事の佐伯さんが物置で探している最中だ。

 どうしてか日本に帰ってきた方が落ち着かない。

 アメリカでは周り中が敵かもしれないと思われたが、日本に戻れば守らなければと思う人たちが大勢いる事に気がついた。

 誰かが巻き込まれるかもしれないという危険性にようやく気がついたというか、実感が湧いてきたのだ。

 立ち上がった陣にどこに行くのかと2人は怪訝な表情で見上げた。

「ちょっと散歩」

 苦笑いを返しつつ玄関に向かった。