「青司、どうした?」

「!?」

 絵理に呼ばれてハッとする。

 いつの間にか思いにふけっていた。

 情けない、と表情を苦くして目を眇(すが)める。

「次はどこに行きたいですか?」

 話題を変えるように2人に尋ねた。

「うむ、公共の施設にも行ってみたいと思うぞ」

「そうだな、どんな風に違うか見てみたいよ」

「それならどこがいいかな」

 道の脇で思案すると、何やら絵理の視線がどこかに向いている。