「あ、千鶴ちゃん」
外にいた先生は、私を見ると怖いくらいニコニコとした表情になった。
口しか見えないけど。
先生の頭には白いキャップ。そしてサングラス。これでマスクしてたら完璧に不審者だね。
「よし、今年も隠し通す。ね、エバート・ドナルド・ガードナー」
「誰ですかそれは。まさか僕の仮名ですか」
「That's rightだよワトソン君」
「名前変わってますよ」
「まあまあ、行こうじゃないかエバート・ドナルド・ガードナー君、」
「そうですね、ちぃ」
私達は並んで歩き出した。
私の仮名は毎年"ちぃ"。私的には可愛いので気に入っている。
神社に近づくにつれて、賑わいが一層大きくなっていく。ここらじゃ一番大きな祭りだからね。人が多いのは毎年のお約束。



