「待って、千鶴ちゃんっ」
しかし先生は私の方に駆けてきて、私を後ろから抱きしめた。
「セクハラ反対!」
どうにか離れようと藻掻くが、か弱い女子高生が大人の男に敵う筈なく、私の抵抗は意味がなかった。
「暴れないで、話を聞いて」
耳元でそっと、いつもより低い声で囁かれ、私の力は身体中からへにゃりと抜けた。
くそ、卑怯な!!
「僕は千鶴ちゃんが好きです。大好きです。愛してます」
いきなり何だよ気色悪い!何で段々ランク上がってんの!?
「千鶴ちゃんがいないと、僕は死にます」
脅迫!?
「僕には千鶴ちゃんだけなんです。僕が一人の女性として愛せるのは、世界でたった千鶴ちゃんだけなんです」
寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い!!
「だから、どうか嫌わないで……」
先生はギュッと私を抱きしめる。息が耳に吹きかかってるのはわざとか?



