「千鶴っ、隣座るけどいいわよね」
「いんじゃない」
「やったぁ、千鶴愛してる!」
お前の愛なんか要らんわい。どうせ中身スッカスカのろくでもない愛だろ。
「エドガーさんは私の隣!」
「あぁ、はい……」
煮え切らない態度の先生に苛々しつつ、私は窓の外を眺め、沈黙を決め込む。
隣からの華やいだ会話なんて耳から排除。脳が意図的にシャットアウト。
え、何、どうせ嫉妬だろって?
うるさい!!
「じゃあ、出発するわね」
「楽しみですねっ」
「そうですよね?」
「何ですかその疑問系?会話になってませんよぉ。面白いなぁ、本当に」
……面白いのか?
ハッ、しまった、会話が耳に入ってた!!



