―翌日―
「……」
我が家に来た先生は、何ともいい難そうな顔をしてリビングに座っている。
私は離れた場所から先生につんと背を向けて、椅子に座っていた。
何でかって?
「ねぇ、エドガーさんっ。キャンプ場に着いたら荷物の整理手伝ってほしいんですけどぉ」
先生の隣に座り、なおかつ腕まで極自然に組んだ美鶴がキャイキャイと先生に手伝いを要求している。
私には出来ない。出来る筈がない。てかやろうとすら思わない。
「ぁ、はい、いいですよ、多分……?」
「やだ、エドガーさんったら何で多分で疑問系?」
「……さぁ……」
「面白い人ですねっ」
「そろそろ行くわよ〜」
母のその声が聞こえた瞬間、私は素早く立ち上がってこの場を去った。
荷物を積み込み、車の奥にと座る。



