先生は扇風機の前で、一緒にアイスを頬張る。私はチョコレートで、先生は抹茶だ。
「そういえば最後の借り物、何だったんですか?」
「し、親友だよ」
「嘘はいけませんねぇ」
ちっ!
「……好きな、人」
「あれ、千鶴ちゃんは僕のこと好きじゃないんですか?」
「だって、少しでも勘づかれたくなかったんだもん」
「じゃあ、僕のこと好きですか?」
「知らないっ!」
ぷいっとそっぽを向いた瞬間、アイスを剥奪された。
「何をするぅ!」
「僕がほしい言葉を言ってくれたら返してあげます」
「〜〜〜っ!!」
「ほら、早くしないと溶けちゃいますよ」
何て意地の悪そうな笑みを浮かべるもんだから、一泡ふかせてやろうかと思う。



