「今日は一緒に帰りましょう。一人じゃ不安ですよね。というより、僕が不安です」
「ありがとう、エドガー」
「しーっ。ここは学校ですよ」
「大丈夫、誰も聞いてないよ」
「全く……。あぁ、ところで、掴まれた腕というのはどっちの腕ですか?」
「こっち」
私は袖を捲って、腕を出した。腕にはくっきりと指の跡がついている。
「これは酷い……」
先生は私の腕の跡をそっと擦って、その後短くキスをした。
「早く治るように、おまじないです」
「あんまり効きそうにないおまじないですね」
キスしたって変わんないよ。
「それで、今度はどんな意味があるんですか」
「意味?」
「キスの意味です」
「あぁ、腕へのキスはですね、恋慕、という意味なんです」
恋慕……。
「好きですよ、千鶴ちゃん。誰にも渡したりなんか、しませんから」
「ハイハイ、ありがと」
私は何となく気恥ずかしくてそっぽを向いた。多分今、私の顔は赤いと思う。



