「……槙くんが、私に好きって言ってきたんです。それで、私、彼氏がいるって言ったんですけど」
先生は黙って聞いていた。
「そしたら、じゃあ証明してみろって言われて、でも出来なくて、なら嘘なんでしょって。嘘じゃないって言っても、じゃあ証拠はの繰り返しで。
腕を強く掴まれて、離してって言っても離してくれなくて、一生離さないとか何とか言い出して、私怖くなってっ……」
先生の白衣をギュッと握った。まだ、まだ怖い。
「振り解いて駆け出したら、先生にぶつかったんです」
「成る程、わかりました。怖かったですね、よく頑張りました」
「うん」
「槙くんについては、僕が何とかしましょう。もう大丈夫ですよ」
「本当に?」
「えぇ、本当に」
先生の屈託のない笑顔に、私は安心した。先生に任せておけば大丈夫だ。
でも、任せてばかりじゃいけないよね。



