「千鶴ちゃんっ?そんなに慌てて、どうしたんですか」
何とぶつかった相手は先生だった。今一番会いたかった人物だよ本当に。ナイスタイミング!
「先生〜……」
あまりに安心したせいか、情けない声になってしまった。きっと顔も情けないことになっている。
「千鶴ちゃん?何かあったんですか?」
先生は心配そうな顔で、私の頭をよしよしと撫でる。普段なら子供扱いするなって怒ってる所だけど、今は逆に落ち着いた。
無意識に、先生の白衣をギュッと掴んでいるのに気が付いたけど、そのままもう少し強く掴む。
行ってほしくない。ここにいてほしい。切実に、私の傍にいてほしい。
「……準備室に来ますか?」
私はコクコクと頷いた。今はとにかく一人になりたくない。
「おいで」
先生が私の手を握った。温かくて優しい、大きな大人の手だ。
私は俯きながら、先生と歩いていった。



