翌日、神崎さんが遅刻した。寝坊したらしいけど、目的すっごいハッキリしてるよね。



先生の罰、つまり手伝い、つまり放課後に二人きりを実現させようっていう魂胆だろうなぁ。



恋する乙女は健気だねぇ。まぁ、多分一回だけじゃあ実現できない。三回くらいは遅刻しないと。



身を犠牲にしてまで先生と付き合いたいのかね、神崎くん。そんなに好きなのかね。





そんなの、許さないに決まってるでしょ。





「千鶴、険しい顔してどうしたのよ」



カノンちゃんがデコピンしてきた。地味に痛いんだけども。



「考え事ー」



「何か悩んでんなら言いなさいよね。無理にとは言わないけど」



「うん、ありがと。ところでさ、私の消しゴム知らない?昨日からないんだけど」



「知るわけないでしょ馬鹿」



「デスヨネー……」