「あぁ、そういうことだったんですねっ。ありがとうございます。あの、ところで天瀬さんはさっきから一体何を……?」
「遅刻の罰として、仕事を手伝ってもらってます」
「そうなんですか?お忙しいのでしたら、私も手伝いますよ?」
「いえ、これは遅刻した罰なので、遅刻をしていない神崎さんを手伝わせるわけにはいきません」
「そんな、私暇人ですし、先生のお手伝いなら喜んで受けます。ね、先生?」
ちょっと首を傾げて可愛らしく先生にお願いする神崎さん。えぇー、やだー。
「ですが……」
「先生ー……」
うるうると目を潤ませてお願いする神崎さん。こいつ、本当にあの神崎さん……?
「いえ、やっぱり神崎さんに手伝ってもらうと彼女への罰がなくなるので」
「そうですか……。じゃあまた今度お願いしますね。さようなら」
神崎さんは帰っていった。
「はぁー……」
机の上で先生はため息を点き、突っ伏した。いやホントお疲れ様だわ。
「この調子だとずっと付きまといに来るよ?」
「ですが相手は生徒ですし……。うっかり冷たくも優しくもできないんですよ」



