放課後、普通に帰ろうとしたら下駄箱付近で誰かに腕を掴まれた。
あちゃー、最後の最後で捕まったか。
「普通に帰ろうとしないで下さい。新学期早々遅刻した人に、お話がありますから」
「先生の意地悪ー」
振り返ると、何だか疲れたような顔をした先生がいた。あれか、神崎さんか。
「とりあえず準備室に行きましょう」
「へーい」
準備室に行くと、うっすらと甘い香水の匂いがした。別に珍しくはないけど、この匂いは初めてだ。てことは、神崎さん?
「先生、お疲れ様ー」
「本当に疲れました……。あんなにしつこい人は初めてです」
「美少女になるだけならいいんですけどね。敵をいっぱい作ってますよ」
「そうですか……」



