「……あのさエドガー」
「何ですか?」
「えぇっと……」
私はもごもごと口籠もる。言いづらいというか、言いにくいというか……。
えーいっ、言ったれ!
「大好きだよっ!!」
精一杯の声を振り絞って伝えた。あぅぅ……、顔があっつい。でも今日くらいは少しでも素直になろうと思って。
「は……」
"は"?
「反則、でしょうそれ……」
「え」
先生はギューッと私を抱きしめた。暑いけど、今日は我慢してやろう。
「僕は愛してますよ」
「流石にそこまでは言えない」
恥ずか死ぬから。
「千鶴ちゃんが傍にいるだけで、僕は幸せなのに。幸福が溢れてどうなかなりそうです」
「どうなかなったら私が矯正する」
「そうして下さい」
花火は最終演目を迎えた。華やかな一夜も終わりに向かう。
またこうして二人で見にきて、年と共に楽しい思い出を重ねていこう。
約束したもんね。



