その日の夜｡鉄之助は土方の部屋に呼ばれていた｡

土方が鉄之助を一人部屋に呼ぶのは珍しい｡




(久しぶりだなぁ…)




まだ京都で新選組を名乗っていた頃｡


鉄之助が副長の小姓として土方の側で働いていた頃は､それは散々と呼びつけられたものである｡


だが､京を離れ流山･仙台そしてこの最果ての地に辿り着いた頃にはそんなこともめっきりと減っていて｡

不謹慎ではあるが､鉄之助はどこか懐かしい気分になっていた｡



刻々と迫っているであろう決戦の時｡


それと同時に周りの緊張も高まってきている｡